2015年7月20日月曜日

ニワトリ大工が伝えたいこと 

このところすっかり“ニワトリ大工”と呼ばれておりますオニロクでございます。

本業の傍ら、夜な夜な作り続けているわけですが、このチキントラクターというもの。一般には知られていないものなので「小型の移動式鶏舎」という表現が一番、わかりやすいのかもしれませんね。


酪農牧場の片隅をお借りしている工房の脇に一台、置いているのですが、工房作業の日は一日中、ヒナが入っています。




生後18日目のひよこ。モミジという種類の女の子たちです。




今の時代、鶏が放し飼いされている風景はめったに目にすることがなくなりました。
我々アラフォー世代には知らないかたもたくさんおられるんじゃないでしょうかね。。。

小学校に鶏がいた時も、飼育係の役割は水を与えることと、袋に入った鶏の飼料を計量カップなどですくってえさ箱に入れるぐらいだったような気がします。あとは鶏舎の中を掃除したりとかでしたっけ。

そういえば、彼らの糞はただの「きたないもの」だったでしょうか。




生態系がどーのこーのとかは別として見ても、このヒナたちの姿に自然であることを感じませんか?

少しずつ草や昆虫などを食べるようになった彼らの成長を見てると、まるで小さな生命だとは思えないんですよね。
すごく不思議なんですけど、ヒナはもちろん、草や土、食べられてしまう昆虫、ヒナが落とす糞。すべての中に、意味のないものが見つけられないんです。



これが自然なんだと。これが生態系なんだと。
豊かな気持ちになって、つまり癒されている自分がそこにいることに気がつきます。

チキントラクターを作って販売に至ったきっかけは、その瞬間に自分自身が感じた気持ちを伝えたいという思いに始まっています。

キツネやハクビシン、タヌキ、イタチ、ヘビ・・・。鶏の天敵は周囲にたくさんいます。
彼らもまた“生きる”ことに必死でチキントラクターを狙ってきます。

確かに当初、電気柵のようなもので鶏を守るという案も出ておりました。
けど、いわゆるチキントラクターの構造を設計するにあたり行っていた実証実験において、キツネに鶏が食べられ、夜中に飛び起きて、実験用チキントラクターの向こうのたくさんのキツネと睨み合った瞬間…。
あっさりその案は消えました。

なぜか。

そこに人間の発明した電気という文明の利器を導入することがフェアでないと感じたんです。
おそらく東北の震災以降の原発、エネルギー問題、オリンピック誘致、TPP参加表明、その他日本の動向。そんな流れの中、大自然のそばにいる私自身が感じてきた不自然さから覚えた感覚なのかもしれません。

日本がどこにゆくのか。子供や孫の未来がどんなものなのか。
正直、間違ってると感じるものにはどんな手を使って反対しようかとない知恵を絞る日々です。

自然の流れに背かないでいてほしい。経済的な成長だけが日本じゃないことに気づいてほしい。

しがない大工が作ったチキントラクターですが、そこにいる鶏の姿を一番見てほしいのは日の丸の親方なのかもしれません。




つい一週間ほど前のこと。
ありのままの姿を長い年月をかけて追求してきた林檎園にて。
ひよこたちがとった行動はほかの草地とは明らかに違うものでした。






ありのまま、逆らわず、自然に生きていくこと。
やっぱり大事ですよね?






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