春は確実に近づいてるみたいですね。
南信州伊那も晴れの日中はぽかぽかとあたたかいです。
さて、今日は仕事のイライラを吐き出そうと思います。笑
工房鬼六。本業は建築大工のチームであるのですが、個人的にこれまで二十数年の建築分野を見てきてすべてに賛同しているものばかりではありません。
業界では“ザイライの大工”とか“モクゾウの大工”とか呼ばれていますが、我々は日本の伝統建築である柱と梁を手刻みで組み上げるいわゆる在来木造軸組み工法の大工です。
大工職人が手間をかけるということはつまりお施主様の身になるとコストがかかる高級仕様ということになってしまいますよね。昨今はその『刻み』の部分がすっかりプレカット工場で加工がなされるのが一般的です。もちろん機械加工ですから精度も良い。早く安くうまくいくと思われてるわけですね。
ところが、現代社会の土台に必ず居座っている「時間短縮」とか「コスト削減」、つまり「効率」に疑問を抱くのは私だけではないはずです。
先ほどの「機械加工の精度の良さ」を考えてみましょう。
これは私が手で刻んだ片蟻(かたあり)という仕口。
この写真は住宅の一部ではありませんのでちょっと特殊なパターンです。
これはじつはお客様が組み立てるキットの一部なので、叩き込むことなくしっくりらくらくと組めるように緩い目に作っています。
では、このしっくりらくらくというものが精度かというと、じつはそうではありません。
そう。そこが工業製品とちがう面白いところ。
そう。そこが工業製品とちがう面白いところ。
山で育った木は全てが違う条件で育ってきたもので、樹齢も日当たり風当たりなども根を張る地質・水質・傾斜、すべて違えば同じ種類の木でも性格がまったく違うわけです。単に反った木も曲がった木もあれば、今現在まっすぐでも10年も経たないうちに曲がったり捻ったりしてくる木もある。
イメージが難しいかもしれませんが、我々はそういった木の性質を読み、適所に配して有効に加工を施すわけです。ひとつひとつの材木の力を最大限発揮させることに知識と経験を生かすわけですね。当然、機械には不可能な話でしょ?
技術云々はさておき作り手として山の神様を讃え、そこで育った木を大切に扱うこと。それに尽きると思うんです。
建築基準法が間違ってるとは言いませんが、全てを数字で合否の結論を出すのは正しい思えません。
針葉樹構造用合板などは耐震補強などではレギュラー的存在ですが、面の強さを最大限に活かせばとても有効です。
針葉樹構造用合板などは耐震補強などではレギュラー的存在ですが、面の強さを最大限に活かせばとても有効です。
でも、住宅まで使い捨てになったというふうに捉えると心の豊かさがどこにあるのかと疑問を抱いてしまうわけですね。
求めるものがデザインなのか性能なのか。そうじゃなくてすべてに妥協しないものじゃないと買い物としては無駄遣いだとお客様には伝えています。
もちろん予算があってのことなんですけど、作り手としてお客様に妥協させるなんてことはあってはならないと思うのです。
ってことで、ひと段落からの荷造り〜っ♫
今日は内容とはまったく無関係のような写真でしょ? 笑
あたたかい季節にご使用になってるところへ伺いたいと思っています。
さて、何ができあがるキットなのか、気になりますか?
メインでご利用になるのはヒトではありません。ってのがヒントです。。。笑
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